
リフォーム業歴12年のエイトです!
浴室リフォームを検討する際、よく目にする設備のひとつが「浴室暖房乾燥機」です。冬の寒い日に浴室を暖めてヒートショックを防止したり、雨の日に洗濯物を乾燥させたりと、便利な機能が満載です。
浴室暖房乾燥機を使用する人の多くが「洗濯物の乾燥」を主な目的としています。天候に左右されずに洗濯物を乾かせるのは、大きな魅力ですよね。浴室暖房乾燥機には「電気式」と「ガス式」の2種類があります。
実際に使ったことがないとイメージしにくいですが、どちらがより使い勝手が良くコスパが良いのかは、気になるポイントです。ここでは、具体的な例を挙げながら、「電気式」と「ガス式」の浴室暖房乾燥機を、徹底的に比較していきます!
【浴室暖房乾燥機】種類別のメリット・デメリット
浴室暖房乾燥機は熱源により「電気式」と「ガス式」に分けられます。それぞれの浴室暖房乾燥機の特徴から、メリット・デメリットまで解説していきます。
電気式浴室暖房乾燥機の特徴
電気式浴室暖房乾燥機は、電気を熱源とした浴室暖房乾燥機で、種類は「電気ヒーター式」と「ヒートポンプ式」の2つに分かれます。「電気ヒーター式」は、乾燥機内部のシステムを使って自らが発熱するものです。シンプルな構造で故障が少ないのが特徴です。現時点では、「電気ヒーター式」のほうが機種のラインナップが豊富です。
「ヒートポンプ式」は、外部の空気を暖めて熱を作り出し乾燥させるものです。一般的に、「ヒートポンプ式」のほうが光熱費は安いと言われています。ただし、本体価格はヒートポンプ式のほうが高価です。
電気式浴室暖房乾燥機は、室内機を設置するだけで取り付けられるため、工事費が比較的安いのが特徴です。工事が2~3時間程度で終わるのも魅力です。電気式浴室暖房乾燥機の設置方法は、2通りに分かれます。浴室の天井に乾燥機を埋め込む「埋め込み式」と、浴室の外側に換気口がある場合に取り付けが可能な「壁かけ式」です。
電気式浴室暖房乾燥機の暖房出力には2種類あり、「100Vタイプ」と「200Vタイプ」に分かれます。「100Vタイプ」が一般的ですが、より強力な暖房・乾燥能力が欲しい方には、200Vタイプがお薦めです。消費電力が大きいというデメリットはあるものの、暖房能力が高い分だけ短時間で同等の乾燥効果が得ることができるため、かかる光熱費は「100Vタイプ」と同程度です。
電気式浴室暖房乾燥機のメリット
電気式浴室暖房乾燥機のメリットについて、以下でご説明していきます。
- 設置工事が簡単:ガスの配管が不要なため、取り付け工事が簡単に済みます。工事費用も安い点が魅力です。
- 本体価格が安い:ガス式と比べて本体価格が安いです。耐用年数が過ぎた際の取り替え費用も安く済みます。
- 設置スペースが少なくて済む:浴室暖房乾燥機としての設置スペースが少なくて済む点が大きなメリットです。設置場所が限られているアパートやマンションにお住まいの方には、電気式がおすすめです。
電気式浴室暖房乾燥機のデメリット
電気式浴室暖房乾燥機のデメリットについて、以下でご説明していきます。
- 暖房能力が低く光熱費がかかる:ガス式と比べると暖房能力が低いので、浴室全体を暖めたり衣類を乾燥させるために、長時間稼働させる必要があります。その結果、光熱費が高くなってしまいます。
- 衣類乾燥に時間がかかる:ガス式と比べると温風のパワーが弱く、濡れた衣類がなかなか乾きません。そのため、衣類乾燥に時間がかかります。
ガス式浴室暖房乾燥機の特徴
ガス式浴室暖房乾燥機は、屋外に設置したガス給湯器 (暖房機能付きの熱源機) で約80℃のお湯を作り、そのお湯を浴室の室内機に循環させ、その熱を利用してパワフルな温風を吹き出す仕組みです。
浴室暖房に使う専用回路を備えた熱源機が必要になるため、新規で設置する際には給湯器自体を交換し対応する必要があります。そのため、本体の設置・導入にはかなりの費用がかかります。ガス式浴室暖房乾燥機には、温風にパワーがあり、洗濯物を早くしっかり乾かせるという特徴があります。
ガス式には、暖房出力が異なる2種類の製品があります。「コンパクトタイプ (暖房出力:3.3kW)」と「標準タイプ (暖房出力
:4.1kW)」の2種類です。どちらを選んでも十分な暖房出力があります。より強力な暖房能力を求める方は「標準タイプ」をお選びください。
ガス式浴室暖房乾燥機のメリット
ガス式浴室暖房乾燥機のメリットについて、以下でご説明していきます。
- 洗濯物が早く乾く:大量のお湯の熱を利用するガス式浴室暖房乾燥機は、電気式と比べてパワーが強く、短時間で洗濯物を乾燥させることができます。洗濯物がふんわりカラッと仕上がる点も魅力です。家事の時短を最優先に考える方には、ガス式がおすすめですよ。
- 光熱費が抑えられる:電気式とガス式の光熱費を比較するにあたり、洗濯物が乾燥するまでの浴室暖房乾燥機の使用時間も加味したうえで比較すると、ガス式の光熱費のほうが安いです。数年にわたり使い続けることを考え
ると、ガス式を選ぶことが家計の節約につながると言えるでしょう。
ガス式浴室暖房乾燥機のデメリット
ガス式浴室暖房乾燥機のデメリットについて、以下でご説明していきます。
- 大がかりな設置工事が必要:ガス式浴室暖房乾燥機を導入するためには、大がかりな設置工事が必要です。ガスの配管工事が必要であり、専用の給湯器の設置も必要です。そのため初期費用が高くなります。予算オーバーとならないよう、事前に十分ご検討ください。
- 設置場所に制約がある:ガス式浴室暖房乾燥機には、室内機だけではなく、室外機もあります。そのため、設置場所に制約があり、お住まいの住宅によっては、ガス式を導入できない場合もあります。中古物件購入やリフォーム時には、設置が可能かどうかご確認ください。
【電気式とガス式】浴室暖房乾燥機の機能を比較
浴室暖房乾燥機には、浴室暖房・浴室乾燥・衣類乾燥・換気・涼風・送風といった基本機能があります。製品によっては、うたせ湯機能やミスト機能などを備えているものもあります。これらの機能について、電気式とガス式ではどのような違いがあるのか、比較していきましょう。
浴室暖房機能
冬場の入浴は、体への負担が心配です。冬場の室内の温度差について、確認していきましょう。暖房が良く効いた部屋は20℃前後で暖かく、暖房がない脱衣場や浴室の温度は10℃前後 (外気温5℃の場合)。かなりの温度差があるので、「ヒートショック (温度差によって起こる急激な血圧の変化)」が起こる可能性があります。
寒い季節に浴室を暖めることで、ヒートショックを予防することができます。暖房能力は、浴室暖房乾燥機のタイプによって差があります。ガス式、電気式200Vタイプ、電気式100Vタイプの順で、暖房能力が高いです。暖房能力の高さを重視する人にはガス式がおすすめですよ。
浴室乾燥機能
入浴後の浴室は湿気がこもっており、結露ができやすくカビの発生が心配です。そんなときに使いたいのが、浴室乾燥機能です。しっかり乾燥させることにより、浴室の掃除も簡単になります。浴室乾燥機能は、電気式・ガス式のどちらにも基本機能として備えられています。電気式と比べてパワーが強いガス式のほうが、短時間で浴室をカラリと乾燥させることができます。
衣類乾燥機能
冬場や雨の日など、洗濯物を外干しできないときに、浴室で衣類を乾燥することができる「衣類乾燥機能」。洗った洗濯物は部屋干ししてもいいですが、部屋干しすると衣類に独特の嫌な匂いがついてしまうという点が気になります。衣類乾燥機能は、衣類の匂い防止にも役立ちます。
ガス式は電気式と比べてパワーが強く、洗濯物がすばやくカラッと乾くという利点があります。ここでは、それぞれの性能について確認していきたいと思います。電気式は、衣類を乾燥させるのに4~6時間程度かかります。乾くのに時間がかかるため、生乾きのようなじめっとした仕上がりになるという声も聞かれます。製品によっては、説明書に「大物・厚物・丈が長いものはご遠慮ください」と書かれている場合がありますので、ご注意ください。
ガス式は、1.5~2時間程度で衣類を乾燥させることができます。電気式と比べると断然早く乾燥させることが可能で、パリッとした洗濯物の感触が好評です。急ぎの洗濯物がある場合でも安心です。
その他の機能
その他の基本機能としては、電気式・ガス式ともに、涼風機能・換気機能などを挙げることができます。基本機能以外の機能としては、ミスト機能・うたせ湯・プラズマクラスターイオンなどの機能を挙げることができます。これらの機能は、ガス式浴室暖房乾燥機に多く見られます。
【電気式とガス式】浴室暖房乾燥機の光熱費を比較
浴室暖房乾燥機を選ぶ際には、機能が充実していることはもちろんのこと、光熱費を抑えられる製品を選びたいですよね。電気式とガス式、どちらがより光熱費を安く抑えられるのでしょうか?以下で具体的にご説明していきます。
【電気式とガス式】どちらがお得?光熱費徹底比較
電気式とガス式、それぞれの浴室暖房乾燥機を使用した場合にかかる光熱費を、以下で比較していきます。機能別に、その機能を使用するときの所要時間と光熱費を一覧表にまとめましたので、ご覧ください。
| 機能 | 所要時間と光熱費(電気式) | 所要時間と光熱費(ガス式/都市ガス) |
|---|---|---|
| 衣類乾燥(6kg) | 303分・142円 | 123分・97円 |
| 浴室乾燥 | 120分・54.2円 | 93分・71円 |
| 浴室暖房 | 18分・8円 | 8分・11円 |
この表を見ると、衣類乾燥については「ガス式のほうが光熱費が安い」、浴室乾燥・浴室暖房については「電気式のほうが光熱費が安い」ことがわかります。1時間当たりの光熱費は電気式のほうが安いのですが「衣類乾燥にかかる時間が、ガス式は電気式の半分以下」であるため、最終的にかかる光熱費は「ガス式のほうが安い」ということになります。
ただし「どんな場合でもガス式がお得」というわけではありません。各家庭に供給されているガスは「都市ガス」と「プロパンガス」の2種類です。ここでは「都市ガス」を例に挙げてご説明しています。「プロパンガス」の場合は、光熱費が都市ガスより高くなりますので、注意が必要です。
ガス式 (プロパンガス) の場合は注意が必要
ここまでで「ガス式は電気式と比較すると光熱費が安い」とご説明してきました。これは主に都市ガスを基準にした話です。「都市ガス」ではなく「プロパンガス」を使用している場合は、事情が異なります。プロパンガスは、原料の輸送や充填にコストがかかるため、都市ガスと比較するとガス料金が大幅に割高になってしまいます。都市ガスとプロパンガスのガス料金の違いを、実例を挙げてご説明していきます。
例えば、5kgタイプの浴室暖房乾燥機 (出力5.20kW、浴室乾燥の標準コース約52分) を使用すると、都市ガスでは約47円、プロパンガスでは約88円のガス代がかかります。この計算方法を目安として、ガス式 (都市ガス)・ガス式 (プロパンガス)・電気式のどれがよりお得なのかを確認してみるといいでしょう。
【電気式とガス式】浴室暖房乾燥機の設置費用を比較
浴室暖房乾燥機を導入する際の設置費用は、事前にしっかりと確認しておく必要があります。電気式とガス式、どちらがより安いのでしょうか?以下でご説明していきます。
電気式の場合
電気式の工事は、浴室の天井に室内機を設置し、そこに電源を接続する電気配線工事が中心となります。比較的短時間で完了します。ただし、200Vタイプの製品の場合は、専用回路の設置が必須条件となることが多いです。分電盤に空きがない場合は、専用回路を増設する追加工事が必要になります。設置費用 (本体価格+標準工事費) は、5万円~12万円程度です。ガ
ス式と比べると割安です。
ガス式の場合
ガス式を導入する場合、室内機だけでなく室外機である熱源機 (専用給湯器) の設置をする必要があります。また、室内機と室外機を温水パイプでつなぐため、壁に穴を開けなければなりません。さらに室外機にガスの供給設備をつなぐために、ガスの配管工事も必要となります。ガス式の設置費用は、かなり高額です。電気式にはない「熱源機」が非常に高価なので、導入を迷う人もいるかもしれません。具体的な設置費用は、以下の通りです。
- 浴室暖房乾燥機の本体価格:約5万円~10万円
- 熱源機(専用給湯器)の価格:約10万円~20万円以上
- 標準工事費 (配管工事などを含む):約5万円~10万円
やはり、熱源機の価格がネックになる方が多いのではないでしょうか?お住まいの住宅にすでに熱源機がある方は、新たに熱源機を取り付ける必要がないので、価格面でかなり有利となります。
例えば、すでに床暖房を導入している住宅には、熱源機が取り付けられている可能性が高いです。床暖房の取扱説明書で確認するか、製造メーカーに確認してみることをおすすめします。
【戸建てとマンション】状況別・浴室暖房乾燥機の選び方
ここまでで、導入したい浴室暖房乾燥機をイメージできた方も多いのではないでしょうか?しかし、お住まいの住宅によっては、希望通りの種類の浴室暖房乾燥機を導入できない場合がありますので、注意が必要です。以下でわかりやすくご説明していきます。
戸建ての場合
戸建ての場合、建物の所有者自身が、どの種類の浴室暖房乾燥機を設置するか、どのような工事を行うかを、自由に決めることができます。工事に関する制約が少ないのが特徴です。電気式・ガス式のどちらを選んでも、全く問題ありません。
マンションの場合
マンションにお住まいの方には、電気式浴室暖房乾燥機の設置をおすすめします。マンションは集合住宅であるため、設置にはいくつかの制約が伴います。以下でご説明していきます。
ガス式を希望する方がガス式を設置する際には、屋外の壁に熱源機を固定したり、室内機とつなぐための配管穴を壁に開けたりする工事が必要です。
マンションでは、建物の外壁や構造に関わる壁は「共用部分」と定められているため、これらの工事を個人の判断で行うことはできません。共用部分に影響を及ぼす工事には管理組合の承認が必要です。どうしても、ガス式を導入したい方は事前に管理組合に相談するようにしてください。
賃貸の場合
賃貸の場合、浴室暖房乾燥機を後付けすることは、非常に困難です。理由は、設置工事が建物の構造に手を加えるリフォームにあたり、借主の義務である「原状回復義務と抵触する」ためです。どうしても、浴室暖房乾燥機を設置したい場合は、発想を転換し、物件探しの段階から、浴室暖房乾燥機付きという条件で住まいを探すことをおすすめします。
まとめ
この記事では、さまざまな観点から、電気式とガス式の浴室暖房乾燥機を比較してきました。主に「洗濯物を乾燥させる」ために使用すると想定すると、洗濯物がカラッと仕上がりパワーが強い「ガス式」が断然おすすめです。電気式と比較すると短時間で洗濯物が乾きます。「短時間で乾く」、つまり稼働時間が短いので、光熱費もガス式のほうが安いのです。
特に戸建てにお住まいの方には、ガス式を強くおすすめします。ただし、マンションにお住まいの方は、お住まいのマンションの規約によっては「ガス式設置不可 (壁に穴を開ける工事があるため、不可)」の場合がありますので、ご注意ください。マンションのお住まいの方には、基本的には電気式がおすすめです。お住まいの住宅や、各家庭のライフスタイルに合わせて、最適な浴室暖房乾燥機を選んでみてくださいね!